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9K38 イグラ : ウィキペディア日本語版
9K38 イグラ[9けい38いぐら]

9K38 イグラ(, )は、ソビエト連邦が開発した携帯式防空ミサイルシステム(MANPADS)。NATOコードネームSA-18 グロース()。初期型は9K310 イグラ-1()と称され、SA-16 ギムレットというNATOコードネームを付与されている。また、発展型の9K338 イグラ-S()をロシア連邦が開発している。
== 概要 ==
ソビエト連邦は、近距離防空(VSHORAD)システムとして、1968年よりストレラ・ファミリーの運用を開始し、車載式としては 9K31 ストレラ-1、携行式としては 9K32 ストレラ-2が配備された。しかし、特に携行式システム(MANPADS)において、交戦可能域の狭さが問題視されるようになり、改良型の 9K34 ストレラ-3が開発されたものの、十分な解決には至らなかった。このことから、ソビエト連邦共産党中央委員会およびは、1971年2月12日付け決議でソ連国防工業省(KBM MOP)に対し、新世代のMANPADSの開発を提示した。しかし、開発開始後まもなく、技術的な困難から開発が難航することが明白となった。そのため、1978年5月6日付けのソビエト連邦大臣会議幹部会委員会の軍事産業問題に関する第114号決定で、その保険として簡易型の並行開発が採択した。簡易型は9K310と命名され、これをまず開発・配備したのちに、完全版としての9K38を配備することとされた。
9K310 イグラ-1システムは、1981年3月11日付けで制式採用された。イグラ-1システムは、簡単に言えば改良したストレラ-3のシーカーをつけたイグラシステムであった〔。使用する9M313ミサイルは、ストレラ-3システムの9M36ミサイルと比べると、
* 長波長赤外(LWIR)帯域に対応:硫化鉛(PbS)に代えて、アンチモンインジウム(InSb)素子を導入
* IFFシステムの改良による同士討ちの防止
* 照準行程の自動化による応答時間の短縮
* ロケット・モーターの大型化と誘導装置の改良による射程の延伸
などの改良点があった。本システムはイラク軍により、湾岸戦争において実戦投入され、1991年1月17日イギリス空軍トーネード IDSを撃墜する戦果が記録されている〔Lawrence, Richard R.. ''Mammoth Book Of How It Happened: Battles'', Constable & Robinson Ltd, 2002.〕。
完全版の9K38 イグラシステムは、1983年9月23日付けで制式採用された〔。イグラシステムは9M39ミサイルを使用しており、空力設計やモーター部分はイグラ-1システムで使用していた9M313ミサイルのものを踏襲しているが、アンチモン化インジウム素子と硫化鉛素子を併用することで 2 波長誘導とされており、妨害への抗堪性を向上させている。本システムは、スルプスカ共和国軍により、 NATOによるボスニア・ヘルツェゴビナ空爆に対して使用され、少なくとも1機のミラージュ2000を撃墜している。2004年には、弾頭を大型化するとともに射程を延伸した9K338 イグラ-S(イグラ=スーペル)が開発され、SA-24 グリンチというNATOコードネームを付与された〔。このほか、9K310 イグラ-1の輸出型のイグラ-1Eや、Mi-24などから発射できる空中発射型9M39 イグラ-1V、9K38 イグラの発展型のイグラ-1M、携行式ではなく固定式の支柱発射装置「ジギート」など、諸々の派生型が開発されている。また、近接防空ミサイルとしての使用もあり、光学FCS連動の6連装発射機を中核にした3M47 グブカ・システムは、アストラハン級コルベットなど、新しい小型艦艇に搭載されている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「9K38 イグラ」の詳細全文を読む




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